いくら不景気でも、年末は忙しい。年末になると税金だの業績予想だのクリスマスカードだのギフトだの挨拶回りだのクリスマスパーティだの従業員のボーナスだの保険更改だのと、とにかく手間を取られる。そんな忙しさも、金曜日を迎えて一段落した。
忙しかったこの一週間、毎晩家に帰る楽しみがあった。ご想像のとおり(?)愛妻の顔を見るのが毎夕楽しみなのは申し上げるまでもないが、先週末見つけたタワー・レコーズのオンライン店で注文したオーダーの到着を毎日毎日待っていたのである。それが遂に今日、家に着いていた。
ご存じタワーレコーズは日本ではいまも健在だが、米国では2006年にチャプターイレブン(日本でいう民事再生法)適用を申請、全米の店舗を売却して米国での半世紀近い歴史を閉じた。独身時代サンフランシスコやロサンゼルスのタワーレコーズで夜の長い時間を過ごした僕にとってひとつの時代の終わりを感じさせる寂しいできごとだったが、かといってタワレコがいま残っていても、果たして立ち寄ることがあったかどうか。ふと、店からLPレコードが消えあっという間にCDに入れ替わった20年前のことを思い出した。
たまたま見つけたタワレコのウエブサイトは熱帯雨林に比べればかなり見劣りするちゃちなサイトだが、珍しいものを探すには格好の場所である。何が欲しいでもなく見ているうちに、懐かしいLPに目が留まった。ちなみにLPはビニール製ではないのに、なぜか英語ではバイナル(vinyl)と呼ばれる。
ロックと小説とメロンパン好きのさるくまさんもお気に入りのアビーロウド。なんといまクリスマス・セイル中だった。中学のころ買った日本版LPと、高校の頃買った英国版LPと、CDになった頃米国で買った米国版CDを持っているのに、ただ特売というだけで欲しくなった。所有のLPはいずれも日本の倉庫に入っているのである。家にターンテイブルがあるわけでもなく、聞くだけならMP3に落としているので不自由はないのに、気がついたらもう画面は、お買い上げありがとうございましたになっていた。
このアルバムは多くのロックファン同様、僕にとって単なる音楽を超えた存在である。自分史のBGMといってもいいかもしれない。いつも一曲目のシュッ、シュッというのを聞いたが最後、何をしていても必ず終わりのおまけの曲までぶっ通しで聞いてしまう。音楽の完成度と釣り合うアルバム構図の完成度の高さ。まるで遠近法を熟知したダビンチが撮影した写真のようだ。この音楽を聴けば1969年のロンドンの恐らく世界一有名な通りのこの風景が思い浮かび、このアルバムを見れば、空が青いから泣きたくなる、とか、あなたはお金をくれたことがない、とかいうメロディが頭に浮かぶ。まるでパブロフの犬である。そんなわけで、到着と同時に4枚目のアビーロウドはラップ掛けのまま額にはいり、我が家のささやかなギャラリーに加わることになった。
大きな声では言えないが、このLPは僕にとってある意味愛妻を超える存在かも知れない。
ほんびゃんは( ̄(エ) ̄)ノ酔っ払いながらお邪魔致しま~す。まったくもって、不景気でも12月は忙しいですね~、今週末も仕事でございます。ベロベロな感じで~。タワー・レコーズとアビー・ロードの文字を見つけたら、どんなに酔っていようとコメントを残してからでなくては、布団に入れないと思った次第であります。ダウンロードで音楽を聴く時代だけれども、アライグマな世代なので、もといアナログな世代なので、聴きたい音楽があるとタワー・レコーズに今でも向かっております。ま、今はCD買うけど。1曲目のシュッ、シュッ!まったくもってその通りでございます!シュッ、シュッを聞いたら圧巻のメドレーまであっというまですよね~、あはは!「あなたはお金をくれたことがない」笑える~!最高なメロディですよね~。すみません、酔ってるから接続詞とか文の繋がりとかがまったくうまくできませんので、あしからず。というわけで、さりげなくアビー・ロードの隣りのピーター・フランプトンに青春を感じてしまいました。いや~、それにしてもセールで再びvinylを買ってしまうMarkさんにアライグマ精神、もといアナログ世代の最良なる精神、そして音楽に対する深い愛情を感じました。気づいたらついつい長居してしまいました、申し訳ございません。では今宵はそろそろ布団に入らせていただきます。拙者、枕はそばがらでございます。
本当に12月はタダの主婦の私も忙しかったです。クリスマスカードの宛名書きが一段楽したのでだいぶ落ち着きました。日本だったらこれから年末も忙しいのでしょうがよく考えてみるとアメリカは年末も新年もそれほど忙しくないのでこれからはゆっくりできそうです。LPはこうやって額に入れて飾ることができて重宝しますね。そしてMarkさんの個人史にとって大切な一枚だというならなおさら家に飾るために絶対に必要なもの、といっても過言ではないと思います。そして飾るならばOriginalではなくてコピー(というか・・・たとえ何かあって傷がついたり盗まれてもまあいいか~とおもえるもの)を飾るのがいいと思います(ホラ、宝石みたいに高価なものはコピーを作ってコピーを普段は付けて本物は銀行の金庫に入れる、みたいな・・・)。というわけで長々と「なぜアビーロードのLPが4枚必要なのか」を説明してみました。どうでしょうか、先生!?
こんばんは。この場所には3年前に行きました。懐かしいですが、その通りの風景では今はないので、幻想ですね。ビートルズはデジタルリメーク版が出てて、私も買おうか迷っています。買ってしまうと全てそろえていかないといかんようない気がしてなりません。
≫森のくまさん週末勤務お疲れ様でございました。お疲れのところこんなせせこましいところにお越しいただいて誠に恐縮でございます。タワレコと聞くとついくまさんのことを思い出しました。くまさんのようなアライグマ、もとい、アナログなファンに支えられて今でも渋谷店は健在なのですね。今も廃墟のままのサンセット大通り店の前を通るたび、胸に痛みを感じます。実はですね、25ドル以上買えば送料無料にしてくれるというので、迷った挙げ句、スロウハンドを買っちゃいました。これも3枚目なんですけどね。今度アルバム用の額をもう一個手に入れたら吊そうと思っています。我が家の壁はノスタルジーの巣窟と化しております。
≫utaさん主婦+乳幼児二児の母+大型犬二頭の飼い主だけでも大変なのに、チーム失◎のリーダーまでされているのでお忙しいだろうことは容易に想像できちゃいます。あはは、僕の心理分析ありがとうございます。さすが長編ミステリーファンです。自分自身そこまで気がついていなかったので思わず膝をぽんと打ちましたが、衝動買いという表現がピッタリな気がしないでもありません。このLPはいつまでも針を落とさず、我が家の壁で歳を重ねることになりそうです。ジャケットの裏面も好きなので、もう一枚買おうかな。
≫しまやんさんそうか~撮影現場に行かれたのですね。僕も定年後時間ができたら、いってみたいです。確かに現実の風景を目の当たりにすると、この写真で永遠化されたイメージが崩れてしまいそうな不安はあります。やっぱり行くのはやめておこう。ちょっと前にリマスター版が出ましたね。LP版と違うのかなあ?
Markさん、最近、売ってるものを見て、あ、高いからまあいいや、と思ったものをウエブで安くででているのを見かけ、飛びついて買ってしまった人を知っています。偶然ですね。しかも、買った当人が大喜びしているところ、買ったものがある意味夫を超える存在?なのも一緒です。w今朝もカボチャを入れて買ったものとのつかの間の逢瀬を楽しんでたみたいですよ、その人。と、お買いもの自慢はこれくらいにして、私にとってMarkさんのこのLPのような存在のものはなんだろう、と考えてしまいました。とっさに思い出せないのが悔しいです。思い返せば私にとって大切なものっていうのは消えものが多いです。あ、でもこの前の絵本なんかはかなり自分の原点に近いものだったと思います。もう絶版で買うことはできないけど。
≫うまこさん配偶者がそうしょっちゅう超えられてしまうなんて、物欲の前に夫婦の絆の限界を見てしまった気分です。あはは、カボチャと合い挽き、いや逢い引きなんておいしい話すぎるな、その人。実はですね、「買う」ボタンをクリックするときに、子供の頃の絵本と■十年ぶりに再会されたうまこさんのお話が頭をよぎりました。そうだ、これは決して物欲ではない。失われた時を求めるひたむきな努力なのだ。たぶん。